【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−
「おはよう」
いつもより1オクターブ低い声に、深く長い溜息。
今日何回聞いたことやら。
って!!
あっ、私、またやらかした?
……やっばぁ。
「お、はよう……ございます」
「部屋入るか」
直ぐ様部屋に戻っていく隼人。
背中が怖いよぉ……。
冷たい夜風のせいなのか、怒っているかもしれない隼人の背中を見てなのか……。
私は体を震わせながら、隼人を追い掛けて部屋に戻った。
うぅぅぅ。
怖くて顔見れないよぉ。
さっき怒られたばっかりなのに。