【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−

部屋の片隅に置いてあるソファーに座り、横目で隼人をチラッと盗み見る。


また、怒られるかな?


不安で心配で仕方がなかったんだけど、隼人は優しく笑みを零しながら見つめてきた。



「ククッ……、怒ってないから。よく寝るなぁって感心して呆れただけ」


「え? 何で考えてることが分かるの!」


「凪咲ってもろ顔に出るし」


「エヘヘッ、そっか〜!」



あ〜、何かホッとした。


肩の力が抜けた〜。




「凪咲ってホント目が離せないっていうか……放っておけないんだよな」



隼人の言葉一つで嬉しくて、愛しくなって舞い上がる私。


ソファに座り遠くを見つめて話す隼人に、ひょいっと体を近付けていって、



「だから、隼人が傍にいて私のこと見ててね!」



ニッコリと笑って隼人の首に手を回し、顔を近付けていった。


隼人の腕が私の腰に回り、体を引き寄せられる。



「好きだよ、凪咲」


「うん、私も……好き」




そっと目を閉じると、微かに触れるぐらいのキスを落とされた。





< 13 / 48 >

この作品をシェア

pagetop