【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−
部屋の片隅に置いてあるソファーに座り、横目で隼人をチラッと盗み見る。
また、怒られるかな?
不安で心配で仕方がなかったんだけど、隼人は優しく笑みを零しながら見つめてきた。
「ククッ……、怒ってないから。よく寝るなぁって感心して呆れただけ」
「え? 何で考えてることが分かるの!」
「凪咲ってもろ顔に出るし」
「エヘヘッ、そっか〜!」
あ〜、何かホッとした。
肩の力が抜けた〜。
「凪咲ってホント目が離せないっていうか……放っておけないんだよな」
隼人の言葉一つで嬉しくて、愛しくなって舞い上がる私。
ソファに座り遠くを見つめて話す隼人に、ひょいっと体を近付けていって、
「だから、隼人が傍にいて私のこと見ててね!」
ニッコリと笑って隼人の首に手を回し、顔を近付けていった。
隼人の腕が私の腰に回り、体を引き寄せられる。
「好きだよ、凪咲」
「うん、私も……好き」
そっと目を閉じると、微かに触れるぐらいのキスを落とされた。