【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−
目を開けながらゆっくりと顔を離していく。
重なる視線に胸のドキドキは激しくなり、もう一度顔を近付けてキスをした。
次第に激しくなるキスに漏れる吐息。
絡まる舌に私の体はビクンッと反応する。
隼人の手が私の胸を捉え、そして、服の中へと伸びてくる。
「……はやとぉ……電気、消そ……?」
「明るいほうがいいのに」
そう言いつつも、笑いながら触っていた手を離してくれる。
ソファーの前のテーブルの上に置いてある電気のリモコン。
隼人が手を伸ばして手にした時だった。
さっきは気付かなかった……。
「あれっ? その鉢植えの花って……」
テーブルの上には、庭園で見たあの花の鉢植えが置いてあったんだ。