【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−
届かない思い
――あの花の鉢植えをもらってから数日が過ぎた土曜の午後。
あれから隼人は忙しいみたいで、連絡は一日1・2回あるかないかのメールだけ。
もちろん会ってないし……。
こんな日が続くと、いくら仕事って分かっていても心が折れそうになる。
「ハァーーー。会いたいよぉ。声聞きたいよぉ……」
暖かい日が当たる白の丸いテーブルの上。
隼人にもらった花の鉢植えを置いていて、それを指でツンツンしながらテーブルに寝そべっていた。
「バーカ、あんまり放置してると浮気しちゃうぞ……?」
ブーッブーッブーッ。
テーブルの上で、突然明るく光って震えた携帯。
誰だろ?
そう思って覗き込んだディスプレイには“隼人”の文字。
あわゎゎゎ……。
ごめんなさい!
浮気とかちょっと言ってみただけで。
私ができるわけないから!!
本気じゃないから!!