【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−

時間ギリギリ。


時計を気にしつつ早足で歩く道。


その途中、不意に小さな花屋が目についた。



あっ!!


そういえば、あの花なんて名前なんだろう?



気になって少し立ち止まり、店内を見渡してみる。



真っ赤なバラ、カーネーション、ユリにかすみ草。


……じゃなくて、鉢植えは……。


パンジーにヒマワリに、


あの紫の花は……。



「あっ!! これかなぁ?」


お店の隅っこにぽつんと置かれたその鉢植えには、小さな花がいくつか咲いている。


五枚の花びらに、澄んだ紫の色をつけている花。



きっと、これだ〜っ!





< 22 / 48 >

この作品をシェア

pagetop