【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−
真実の愛
隼人と過ごした日々は、長かったようであっと言う間だった。
終わりってあっけないものなんだね。
隼人の優しさや温もり。
私を抱き締める体。
私を呼ぶ甘い声。
体中にしみ込んだ隼人を忘れることなんてできない……。
あの日からずっと、私は泣いてばかりいる。
鳴らない携帯を持って、
二人で買ったペアリングを今でも指にはめていて、
最後のプレゼントになったあの花を大事に育てて……。
ただひたすら、隼人の面影を探していた。