【短編】勿忘草−花に託す愛言葉−
泣くだけ泣いた私は、自然と隼人と最後に別れたあの川へと向かっていた。
あれから、もう1週間もたったんだ。
何だか随分前のことのように感じる。
あれ以来、隼人とは一切連絡をとっていない。
もしかしたらもう、隼人は日本にいないかもしれない。
後悔して、泣いて、だけど……。
「別れたくない」
って今だに伝えられない。
私に何の相談もなく別れを告げた隼人。
弱虫で泣き虫の私は、隼人の気持ちが分からなくなっていた。
確かに愛されていた。
だけど……。
一人で決めて、一方的に別れを告げて……。
だから、もしかしたら隼人がこれから先、私と付き合っていけないんじゃないかって。
そんな風に思っているように感じてしまう。
私はただ隼人の面影を探すように、一歩一歩踏みしめながら歩いていた。
その時だった。