キミノココロ


『ありがとうございました…。』




背中から小さくて震えたような声がして俺は首だけで振り返った。




その女は何て言うか…

雨に濡れてしまってるけど背中の真ん中くらいの長さの綺麗な髪と陶器みたいな白い肌に猫の様だけどクリクリの黒目がちな目が特徴的。


うん一声で言うなら綺麗な子だった。




「なんであんなオヤジと一緒だったの?」

『あの…バイトで。』

「あーもしかして俺、邪魔しちゃった?」

『えっ???』

「だからあのプレイいくらだったの?(笑)」




俺は軽蔑の眼差しを向けながら言った。



すると次の瞬間、左頬に激痛が…



俺は今殴られた…???




驚いて女を見た。


『ふざけないで。助けてくれた事には感謝するけどあなた最低だね。』


言葉とは裏腹にすごく悲しそうな顔で言われた。



だからかな…???
いつもなら謝ったりなんかしない。
しかも殴られたし。



…けど謝ってみたくなった。




「悪かった。自分の体くらいちゃんと守れよ…?」




俺は持っていたタオルを女にかけてまたラブホ街を走り出した…

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