Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
5人のうち、2人は生理的に受け入れられない感じがする…。結婚したら、当然子どもを作ることを期待されるので、触れられたくないような生理的にダメなのは論外だ。
その他2人は、当たり障りないというところ。不細工とまではいかないが、イケメンでもなく、中肉中背の何の変哲もない感じで、みのりの好みではない。
もっと強烈な個性でもあれば、惹かれるところもあるかもしれないのに……。
でも、そんな人間は、そもそもこんなお見合い写真をつかって古典的な婚活などせずとも、相手を見つけるのだろう。
残るもう一人の写真を開いてみたとき、隆生が口を開いた。
「その人は、町長さんの息子さんだそうだ。」
見た目は悪くはなく、好青年といった感じ。釣書を見たら、慶応大学卒業の秀才みたいだ。
しかし、町長の息子という立派な肩書を持った人に、一度でも会おうものなら、もう逃げられなくなりそうだ。
――こいつが一番ヤバい……。
と、みのりはおののいて、写真を置いた。
みのりの結論は、このなかに〝会ってもいい人はいない〟ということだ。