Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
特に、大変なのが大量に必要な段ボールの収集。徒歩と自転車では限界があるとのことで、みのりの自動車でも収集することになった。
車に生徒を乗せて、スーパーやコンビニで段ボールをもらって車に積み込み、学校に戻るということを、ひたすら繰り返す。
蝉のけたたましさと気が狂いそうな暑さの中、みのりは生徒と共に、汗だくになって作業をした。
一緒に作業する中で、クラスの生徒同士は仲よくなり、それに伴ってみのりも今まで以上に生徒と打ち解けられ、準備も楽しくなってきた。
しかし……、
「みーのーり、ちゃーん!」
馴れ馴れしく呼ぶ者がいる。
こんな風にみのりを呼ぶのは、二俣しかいない。
声がする方を見ると、ラグビー部の一団が移動中だった。その一団の中から、二俣と遼太郎と衛藤が抜け出してやって来る。
「何やってんの?」
仁王立ちする熊。やはりそんな体格の二俣は、ただそこにいるだけで1年生たちを威圧した。あまり3年生の男子と関わりを持つことのない女子生徒は、どぎまぎした表情だ。