Rhapsody in Love 〜約束の場所〜




 あっという間に後期の補習も始まり、遼太郎の個別指導も再び始まった。


「この前は、アイスご馳走様でした。」


 と言う律儀な遼太郎は、さらに日焼けして精悍になっていた。
 充実した夏休みだったんだということが見て取れて、みのりは頼もしく感じる。


 日本史の演習問題の方も、要領を得てきたのと知識が定着してきたのか、かなり出来るようになってきていた。

 でも、九月の全県模試はマークシート方式なので、今までのような問題の解法とは少し違ってくる。一問一答のような勉強の仕方では限界があり、もっと時代や事項の総合的な理解がなければ高得点は望めない。


 後期の補習からは、クラス全体でも全県模試の演習をしようと、みのりは考えていたので、遼太郎の方には知識の定着の方法を伝授するつもりだった。


 真っ新なノートを遼太郎に差し出して、


「さて、自分で参考書を作るのよ。」


と言った。


「……えっ?自分で……?!」


 遼太郎はちょっと驚いたように、みのりの顔を確認する。



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