Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「問題をやっていると、いつも同じようなところで間違えたり、忘れてたり、解らなくはないけど記憶がごちゃごちゃになってたりするでしょう?」
ウン、ウンと遼太郎が頷く。
「ということは、問題の出方というのは、大体パターンがあるって気が付いてる?」
また、遼太郎はウン、ウンと頷いた。
「本当に!?気が付いてる?」
念を押されて、不安そうに遼太郎が目を合わせた。
「……はい、何となくだけど……。」
「…….すごい!狩野くん。頑張った成果が出てるみたいね!」
みのりが目を丸くして、歓喜を浮かべた。
「それが自分で分かれば、大分理解できてる証拠よ。『ここが出る、あそこが出る』って、他人からいくら言われても、自分からそれを発見できてないと、なかなか学力って定着しないのよ。それでね?出題パターンを頭に入れた上で、自分の知識を整理するために、このノートにまとめなおすの。」
ちょっと訳が分からない、といった感じで、遼太郎は首をかしげる。
「教科書の初めからの内容を、まとめなおすわけじゃないのよ。あくまでも、よく出題されるところの自分の弱点を整理しなおすのが目的。ちなみに、これがお手本。」
と、みのりが使い古されたノートを取り出す。