Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
遼太郎は胸を張って、誇らしげにそう言った。
「そう……!」
――そう、いい先生よ。だって私の好きな人だもの……。
心でそう思いながら、みのりは自分のことを言われたかのように、喜びで表情を輝かせた。
遼太郎は思わず、みのりのその表情に見とれてしまう。
「それじゃ、ラグビー部の半沢くんや中野くんも知ってるよね?」
我に返った遼太郎が答える。
「はい、学年が一つ上の先輩です。」
「私、あの二人が1年生の時副担任してたし、日本史も教えてたのよ。卒業していったあの二人は、どんなふうになってたんだろうね。」
「いい先輩でした。ラグビーのルールとかもいろいろ教えてくれて。」
「ふうん……。」
当時を思い出しているような目をして、みのりは頬杖をついて相槌を打つ。
「先生。そういえば、うちの姉ちゃんも先生に教えてもらったって言ってました。」
「えっ……、狩野くんのお姉ちゃん?」
遼太郎の言葉に、みのりは手のひらを口に当てて、素直に驚いた。そして、記憶を検索するが、なかなか思い出せない。
「え、待って。お姉ちゃん、名前は何て言うの?」
「真奈美です。」
みのりの記憶の中で、一人の女の子が浮かび上がった。