Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「ああ!狩野真奈美ちゃん!1年5組で日本史を教えてた。覚えてるよ、うん。えっ!?狩野くんのお姉ちゃんなの?」

「はい。」


 返事をしながら遼太郎は、みのりと話題の共通点があることに嬉しくなってくる。


「……あぁ、そうだったんだ。って、あんまり似てないよね?女の子と男の子の兄弟って、高校生くらいになるとあんまり似てこなくなるのかな?うちの弟も私とあんまり似てないし……。」

「先生も、弟がいるんですか?」

「そうそう、大学に残って『研究』とか言って、28にもなるのに、まだ親のすねかじりしてるのよ。」


 うんざりしたように、みのりは肩をすくめる。そして、気を取り直したように、


「真奈美ちゃんは元気?」


と、遼太郎に訊いた。


「はい、東京の大学に行ってるんですけど、夏休みに帰省して、元気でした。」


「そっか、東京の大学にね。狩野くんも法南大学に行ったら、二人とも東京だから、お父さんとお母さんは大変だー。それに年子だし、よく育ててくれましたって、感謝しなくちゃね。」


 みのりの言葉に、遼太郎は恐縮するように小さく頷いた。



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