Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 そして立ち上がると照明を落とし、自らの服も脱ぎ、みのりの上に覆いかぶさる。
 みのりの頭の横に腕をつき、


「会いたかった…」


と、深い眼差しでみのりを見つめた。

 いつもならば「私も…」と返すはずなのに、この時までその気持ちが欠如していたことに、みのりは気づいていなかった。
 みのり自身が、そのことに愕然として目を見開く。戸惑い混乱して、同じ眼差しで見つめ返せない。

 数ヶ月前とは何かが変化してしまっていた。


 しかし、石原はそんなみのりの心を想像だにせず、深いキスを繰り返す。


 その時、携帯電話の着信音が鳴った。
 みのりの着信音ではないので、石原のものだ。時間は10時半を回っている。こんな時間にかかってくる電話は、ただ事の要件ではないはずだ。


「……電話が鳴ってる……。」


 キスの合間に、みのりが言葉を絞り出す。


「うん……。」


 でも、石原は電話を手に取ろうともせず、その手は胸の膨らみを包み、膨らみに口づけ、さらに行為を進めていった。

 石原の髭がみのりの胸の谷間を滑り降りる。唇と手のひらは、みのりの全身をくまなく、みのりが「あっ…!」と体をすくめる場所には丹念に、愛を施した。


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