Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
8 体育大会のハプニング
秋季大会の日、試合の前のウォーミングアップをしていた遼太郎は、観客席にいる一人に目を止めた。
動作を止めて凝視する……。
「どうした?遼ちゃん。」
その不自然な様子に、二俣が声をかけた。遼太郎は観客席から目を離さずに答える。
「仲松先生がいる…。」
「えっ!?みのりちゃん?でも、今日は来れないんだろ?」
と、二俣も観客席に向かって目を凝らす。
「ん?何処にいる?」
額に手をかざして探すが、二俣には見つけられない。
「ほら、あのつばの大きなベージュの帽子を被って、サングラスしてる。あっ、今立ち上がった……。」
遼太郎の言う通り、一人の女性が歩いて日陰の観客席に場所を移していた。
白いぴったりした七分袖のTシャツに、ベージュ色のショートパンツにサンダルという出で立ち。
「ええっ!!あれは、みのりちゃんじゃないだろ!?イメージが違いすぎるぞ!」
いつものみのりは、ふんわりしたフェミニンな感じの服装が多かった。
しかし、遼太郎は断言した。
「いや、あれは先生だ。」