Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
顔もはっきり判別できないのに、あまりにも遼太郎がきっぱり言うので、二俣には疑問がわいてくる。
「なんで、判るんだ?」
「なんでって、体でかな。」
「……かっ、体……っ!?」
二俣は目を剥いて、顔を赤くした。遼太郎も二俣がどう解釈したのかを悟って、同じく顔を赤らめる。
「……い、いや、違う!!見た感じでだ!見た感じ!!」
と、必死で言い直したが、二俣はからかうように肩をすくめて、ランキングを再開した。
「ふっくん!先生には言うなよ!!」
遼太郎は二俣を追いかけながら、もう一度みのりとおぼしき人物を確認する。
ぴったりしたシャツなので、肩から腕のラインはよく判る。華奢な鎖骨が覗く首回り。膝から上は見たことはないが、膝から下のほっそりとしたふくらはぎ、その下のくるぶし。キュッとしまったウエスト。そして、胸の大きさと形。
どこを見ても、遼太郎が記憶しているみのりに違いなかった。
特に、太ももの中ほどから下をあらわにしているその脚線美は、遼太郎だけでなく、周りの人たちの目を引いた。
みのりから数メートル離れたところにいる中年男性などは、憚らずみのりに見とれているのが、遠目でもよく判った。