Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「……それは、あなたに触れてもらうために、そうなりたいって思って……。」
みのりはためらった後に、かすれ声でつぶやいた。
こんなことを言ってしまっては、石原が自分を負担に思うのではないかと、ただそれだけが怖かった。これ以上石原への想いが募れば、こうやって触れ合うことのできる、今のこの幸せさえも壊してしまいそうだった。
みのりのこの言葉に、石原はめまいを感じ、身震いをした。愛おしさのあまり愛の言葉を語りそうになったけれど、それを呑み込み、その代わりにそっとキスをした。唇が触れ合うと、みのりも震えているのが判る。
石原がみのりの肩と腰に腕を回してきつく抱きしめると、みのりも石原の背中に腕を回して力を込めた。
それから石原は、ソファーの上にみのりの体を横たえると、もう一度みのりを抱いた。
その2度目の絶頂の後は、さすがに二人とも疲労感が襲い、そのまま眠りに落ちていった。
その数時間後、石原のベルトの金属音で、みのりは目を覚ました。時計は午前3時を回っている。
「今から帰るの?」
みのりは服を着ている石原に声をかけながら、自分の服を探した。