Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
その後、みのりは今日の授業の復習どころか、今度の考査で大事なところを、随分な時間を割いて教えてくれた。
日常の授業ではあいまいでこんがらがっていたところも、こうやってポイントを押さえてくれると、すっきりと理解が進んでくる。
勉強を教えてもらうと、遼太郎とみのりの差は歴然とした。
みのりの手を借りずとも、これが初めから出来るようにならなくては。少なくとも対等に近づかなくては、みのりに〝対象〟として見てもらえないだろう。
「ああ、まだまだダメだ……。俺は。」
勉強を終えるときに、遼太郎はため息をついた。
みのりは未だほのかに赤い瞼で、遼太郎を覗き込む。
「矢継ぎ早に教えたから、息切れしちゃった?自信なくさなくても、狩野くんはよくやってると思うよ。」
「でも、先生はもっとすごいし……。」
遼太郎の発言に、みのりは苦笑する。
「前にも言ったけど、私はこれの専門家なんだから、私と比べなくてもいいの。私だって、狩野くんと同じようにラグビーやれって言われても、絶対にできないし。」
その例えに、みのりが泥にまみれてラグビーをやっている絵が頭によぎって、思わず遼太郎は吹き出した。
「ラグビーどころか、私ドンくさいから、スポーツはてんでダメだしね。」
遼太郎が笑う間も、みのりは肩をすくめておどけて見せた。