Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
いよいよ、一番気になっていた3年1組の採点に取り掛かる。……すると、驚いたことに、期末考査の遼太郎の日本史の点数は、100点だった。
――え?……ホントに?!
これには、教えていたみのりもびっくり仰天で、どこか採点ミスがあるんじゃないかと、何度も見直してみる。それでも、やっぱり100点。
平均点は60点だったので、決して易しい問題ではなかったはずだ。
この100点は喜ばしいことではあるが、却ってみのりは不安になってくる。他教科を犠牲にしているんではないかと……。
足早に情報処理室へと赴き、そこにあるパソコンを開いて、遼太郎の他教科の状況を確認してみた。
英語も国語も数学も、日本史のように100点とはいかないが、平均よりも随分点数がいいし、前回の中間考査よりも点数は伸びている。
「うーーん……。」
みのりは唸った。
――狩野くんって、すごい!!
みのりは驚き、興奮し、絶賛していた。
日本史であれだけ負荷をかけさせられていながら、他教科でも結果を出すとは。しかも、彼はまだ現役で激しいスポーツの部活もしている。
――こんな生徒、初めてかも……。
やればやっただけ、必ず結果を出してくれる。叱咤してもへこたれることなく、期待に応えてくれる。遼太郎がこれから努力を続ければ、どこまで成長していくのだろう。