Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 いきなり遼太郎を持ち出すのは、ちょっと不自然な感じがしたので、少し考える。


「……例えば、平井くんとか、モテるよね?」

「ああ!?平井?ダメよー、あれは―。」

「そうそう、モテてるから、とっかえひっかえだもん。」

「気のいい奴だから、コクられたら、すぐなびいちゃう。」


 この二人の分析に、みのりはすっかり気圧されてしまった。


「ああ……そうなんだ。じゃあ、二俣くんは?」

「二俣は、彼女いるじゃん。」

「中学校の時から付き合ってるんでしょ?平井とは正反対だよねー。『ふたまた』って名前だけど身持ちがいい。アハハ!」


――おお!そうなんだ。あの子とは中学校の時から付き合ってるんだ……!


 みのりは頬杖をついて、面白そうに話に聞き入る。


「何?先生。二俣みたいなのが好みなの?」


と、不意に平野から話を振られた。


「え!?」


 思ってもみない問いに、みのりはただ驚いた。


「えー、そうなの?私てっきり、先生は狩野くんがお気に入りなのかと思ってたー。」


 他意はない無邪気な宇佐美の言葉に、みのりは内心跳び上がった。


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