Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「いや、別にほしいとは思ってないし…。」
いつものように、そっけない受け答えをする。
「またー、そんな気の無いこと言って。人を好きになることは、すごく力の源になるのよー。」
それは、みのりに言われなくても遼太郎は身をもってそれを経験していた。自分がここまで頑張れるのも、みのりを好きになったからにほかならない。
「心配しなくても、きっと、狩野くんは大学に行ったらモテモテよ!」
「えっ!?俺が……?」
「今でもそれだけモテてたら、大学にはもっと見る目のある女の子はたくさんいるもん。考え方も高校生より大人になるし、狩野くんの魅力に恋しちゃう子が何人もいるはずよ。私が保証してあげる。」
「いや…。俺が…。想像できない…。」
遼太郎は首の後ろを掻きながら、首を横に振った。遼太郎には、自分が同じクラスの平井のようにモテている図は、到底想像出来なかった。
それに、遼太郎は大勢の女の子に恋されるよりも、ただみのり一人に想われたかった。
みのりは面白そうに、笑いを漏らして続ける。
「現に、今だって、あの子以外にも狩野くんをカッコいいって言ってる子はいるんだな、これが。」
「え…!?」