Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「私が毎日授業に行ってるって言ったら、『いいなぁ』って言われちゃった。個別指導までしてるって知られたら、私ライバル視されちゃうかも。」
みのりはニンマリと笑い、頬杖をついて遼太郎を見た。
――その子にライバル視されることを、先生はどう思ってるんだろう…
遼太郎は自分に想いを懸けられることよりも、みのりが自分をどう想っているかの方が気になっていた。
「ご両親は、指定校推薦が決まったら、喜んでくれてたでしょう?」
頬杖をついたまま微笑を残し、みのりは新たな話題を投げかけた。
「俺の両親ですか?」
と遼太郎が訊きなおすと、「もちろん」という風にみのりは頷いた。
「あんまり…。喜んだというより、ホッとしてたって感じだったです。」
「そう?狩野くんがそれを感じ取れてないだけだと思うよ。きっと喜んでるに違いないもの。」
うーん、と遼太郎は首をひねる。
「それより、これから金がかかるって、ため息吐いてた気が…。」
みのりは遼太郎のこの言葉に、軽く息を漏らして笑った。