Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「うん、筝曲部の子なの。ちょっとこのところ、体調が悪そうだから気になってるんだけど…。」


 そう言いながら、みのりも吉長の背中を心配そうに見送った。


 その後、もう少しラグビーのルールの話をしてから、職員朝礼が始まる時間になったので、今日はそれで終わることになった。


「明日も、教えてもらっていいの?」


 立ち上がりながらみのりが訊くと、


「まだまだ、教えることはあります。ラグビーは奥が深いんです。」


と、いつもと立場が逆になって、いつもみのりが言っているようなことを遼太郎は言った。

 みのりは面白そうに、それでいて頼もしそうに遼太郎を見て、


「じゃ、明日もおねがいします。狩野先生。」


ぺこりと頭を下げた。







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