Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
――二俣くんは188cmで90kg、やっぱり大きいねー。衛藤くんはフッカーで173㎝85㎏、やっぱりずんぐり君だからだね…。都留山高校は…?
とページをめくって、みのりは分析を始めた。
比べてみて、都留山高校との身体の大きさの違いは、歴然としていた。さすがに、県内外から生徒を集めているだけのことはある。
――狩野くんも、あと10㎏せめて5kg体重があれば、当たり負けしないかもしれないけど、こんなでっかい子達にタックルされたら、ひとたまりもないだろうな…。
逆に、大きい選手はタックルで倒されにくい、ということだ。
もちろんラグビーは、身体の小さい選手でも活躍できるスポーツだ。けれども、身体と身体をぶつけ合う以上、当たり負けしない屈強さはあったに越したことはない。
遼太郎にいろいろ教えてもらえたことが役に立って、みのりのラグビーに対する捉え所も変わってきていた。
もし、決勝戦で都留山高校と対戦することになれば、苦戦を強いられることになるだろう。
みのりの心はピッチに立つ遼太郎に同化し、その苦境を想像して胸が苦しくなった。