Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 遼太郎は、本当にみのりのことが〝好きだ〟ということを、改めて自覚していた。

 みのりを思い浮かべるだけで、心はキリキリと甘く痛み、切なく震える。

 寝ても覚めても、頭の中心にはみのりがいて、何をするにもそのみのりに問いかけている。今まで何にも感じなかった水や雲の流れでさえ、みのりというフィルターを通せば、きれいだと感動するようになった。


 たった1ヶ月前、みのりへの想いを自覚するまでは、遼太郎は人に恋をし好きになることが、どういうことかさえ知らなかった。

 それなのに、今はこんなにもみのりが恋しいし、愛しくてたまらない。自分のどこに、こんな感情が隠れていたのだろうと、遼太郎は改めて思う。


 みのりに喜んでもらえるためなら、遼太郎はどんな努力も厭わなかったし、みのりの笑顔さえ見られたら力が湧いた。

 それは、勉強でもラグビーでも。
 頑張って結果を出せば、少しでもみのりに近づけ、認めてもらえると思っていたからだ。


 だけど、今日のみのりは遼太郎に不安をもたらした。
 ……いくら頑張っても、みのりは自分を対象として見てくれないのではないかと……。


 それでも、一度深まった一途な想いは、遼太郎を揺るがさなかった。


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