Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
今日の試合内容はどうだったのかは分からなかったけれども、次の決勝戦はきっと厳しい内容の試合になるだろう。
だけど、まだ夢は繋がっている――。
みのりは今はただ、その夢が繋げられただけで嬉しかった。
もちろん、今日の試合は楽勝というわけにはいかなかった。
それどころか、遼太郎はみのりがいないことにやはり動揺していたのもあるし、何としても勝たなければならないと息巻きすぎて、試合前のウォーミングアップの時もなかなか集中できなかった。
どうしたら、前の試合の最後のプレーの時のように、心を鎮められるのか分からない。
自分がこんなに浮き足立っていると、チーム全体も絶対にまともなプレーはできないと、遼太郎の焦りは募る一方だった。
荷物のところに戻り、タオルを取り出して、ウォーミングアップで流れ出た汗を拭く。
不意に、遼太郎はみのりがそこにいるかのような感覚にとらわれた。目を上げ振り返っても、そこにみのりがいるはずもない。
もう一度タオルで顔を拭いたときに気が付いた。それが、みのりから昨日返してもらったタオルだと。