Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
遼太郎が返答を考えて書いてきたノートを差し出すと、みのりはその返答に目を通し始める。……しかし、しばらくすると、みのりの表情は徐々に曇り始め、眉間には皺が寄ってきた。
「……ちょっと、これは……。」
そして、最終的には容赦のないダメ出しのオンパレード。
遼太郎が久しぶりに、みのりに恐れをなした。
少し傷ついたような顔つきを遼太郎が見せると、
「だって、ダメよー……。こんな適当じゃあ……。」
と、みのりはため息を吐いた。
「狩野くん、自分が行こうとしている大学の学部でどんな勉強ができるか分かってる?推薦入試なんだから、もうちょっとその辺理解してないと…。それが理解できてないから、こんな上っ面を滑っちゃうような返答になっちゃうんだと思うよ。」
ズバズバ核心を射抜くその言葉に、遼太郎は縮み上がる。
目の前にいるみのりは、この前第2グラウンドで今にも泣きだしそうな顔をしていたみのりと、とても同じ人間とは思えない。
「あと2週間ないからねー…。うん、法南大学の環境学部の資料を集めてあげるから、それでちょっと勉強しよう。勉強してる間に、質問の答えも自然に考えられると思うから。」
遼太郎は情けないような、すがるような目でみのりを見つめた。
「先生が資料を集めてくれるんですか?」