Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
淡い期待――。それは、みのりも密かに自分のことを想ってくれているのではないか…ということ。
遼太郎自身がこんなにまで施してあげられるのは、好きだと思う相手、すなわちみのりだけだからだ。
…しかし、遼太郎は昨日のダメ出しのオンパレードを思い出して、ガックリと肩を落とし、その甘い妄想を否定した。
あれは、どう考えても、〝好きな男〟に対する態度ではない。
――あんなんじゃ、いい男には程遠い…。
日本史の時間、皆は視聴覚室に移動し、日本史の浜田先生の監督のもと、皆は「検証、桶狭間の戦い」という番組を録画したDVDを見始める。
深いため息を一つ吐いて、遼太郎もみのりが集めてくれた資料を開いて読み始めた。
今度の週末には、いよいよ都留山高校との決勝戦がある。ラグビー部が決勝戦まで勝ち進むこの快挙に、にわかに学校も沸き立っていた。
練習で使う第2グラウンドやいつも試合で使う野田原競技場のように、土のグラウンドではなく、緑の芝で覆われた立派な県営競技場で決勝戦は行われる。
あの緑の芝の上を縦横無尽に駆けまわれたら、どんなに気持ちいいだろう。遼太郎の心は、それを考えただけでも浮き立つようだった。