Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
そして、もう1件は遼太郎からだ。
『今日は応援ありがとうございました。先生の声、よく聞こえました!何とか勝てたけど、もっとしっかりしなきゃダメだなと思いました。』
このメールの文面を見て、江口にかなり絞られたのだろうと、みのりは想像した。
少し考えてから、指を動かす。
『今日は雨の中、本当にお疲れ様でした。ドキドキする試合でしたが、勝てて良かったね。最後のトライ、かっこよかったよ!!また次の試合では、今日の教訓を生かして、頑張ってね!』
みのりはアパートの部屋に戻ってから、そうメールを送った。
うっすら西陽が射し込んでいるのに気がつき、窓辺から空を見てみた。
雲の切れ間から太陽が覗き、東側には虹が大きな弧を描いていた。
試合の爽やかな高揚感と感動は、みのりの心を敏感にしているらしく、虹を見ただけで涙がにじんできた。
感動の余韻はいつまでもみのりの中に残り、今まで経験したことのない新鮮な感覚が、まだ大きな鼓動を打たせていた。