Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
3 意外な人物
県大会がようやく終わり、インターハイへ出場が決まった運動部、まだ大会が残っている野球部とラグビー部の生徒以外は、これで引退となる。
これから勉強の方に身を入れてくれればいいのだが、もともとあまり勉強熱心でないから、部活に全力を傾けていたわけで…….。選択科目の少ない私立文系は、割かし勉強が楽と思われているのだろうか、運動部の生徒が大勢いた。
折しも、明日からは第一回の全県模試がある。県大会の後、大慌てで過去問を数年分取り組ませたが、きっと焼け石に水であろう。
全県模試の結果がでたなら、校長や進路主任が列席する反省会なるものがあり、結果の原因を探られる。きっと不甲斐ない結果に終わるであろう、その言い訳を、みのりはあれこれ考えていた。
もの思いに耽って、ため息をついたみのりを、テーブルを挟んで正面に座る山崎澄子が見つめる。
澄子は、みのりの同僚で、3年1組の担任。3年前、みのりが臨時講師で芳野高校にいた時に、澄子は新採用で赴任し、それ以来の友人だ。