Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
しかし、みのりのいない木曜日も無為に過ぎて行き、未だ心が定まってない遼太郎は、
――俺、ホントにこんなで、大丈夫なんだろうか……。
と、いささか不安を感じ始めていた。
終礼のとき、遼太郎への連絡票を渡してくれた澄子が、それに書かれていることを見て、目を丸くする。
「校長室に呼び出しなんて、何かあったの?」
戸惑いながらも、遼太郎が連絡票を確認すると、本当に校長からの呼び出しだった。
――何で校長先生が…?俺…、何かやったっけ…?
何の心当たりもない遼太郎は、かなり困惑し、焦りで冷や汗がじわりとにじみ出てきた。
けれども、無視するわけにもいかず、校長室へは赴かねばならない。そのドアをノックするときには、遼太郎の緊張はピークに達した。
校長の返事が聞こえ、室内へ入る。
「失礼します。3年1組の狩野遼太郎です。」
「狩野くん、はい、待っていました。そこの椅子に座って下さい。」
と、校長は自分の席を立ち、校長室に置かれてある立派で大きな応接セットのソファを指し示した。
「はい、失礼します。」