Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「ふうん…。」
澄子はみのりの言葉に相づちをうっている風ではあるが、何か他のことを考えている感じだ。
そう言えば、さっき「みのりさん〝も〟」と言ってたけど、どういうことだろう?もしかして……。
みのりが詮索の口を開こうとした時、
「石原先生って、なんかずるい感じ。みのりさんをどうするつもりなのかな。」
と、澄子が言い出した。
みのりは何とも答えられず、黙って澄子を見つめ返す。
「生徒にも優しくて、指導力も信頼もあって、すごくいい先生だと思うけど、みのりさんのことに関しては、ちょっと疑問がある。」
と、澄子は続けた。
自分は幸せな家庭を築いている一方で、みのりとの関係をもう2年半も続けている石原のことを、澄子は良く思っていないようだ。
「石原先生は、私を無理に拘束しているわけじゃないのよ?」
みのりは事実を言っただけだが、それは自ずと石原を弁護するみたいになってしまった。
「そうだろうけど……。」
澄子は釈然としない。
「いつでも、自由に終わらせることが出来るし、バレたら大変なことになるリスクもあるのは、お互い分かってる。」