Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
遼太郎が今メールに気が付かず、夜遅くになって気が付いたらどうしよう…。などと、いろいろと考えを巡らせていると、次第に緊張が高まってくる。
その緊張を紛らわせるように、みのりは立ち上がって、いそいそと色んなものをかき集め始めた。
風邪薬や鎮痛剤に絆創膏、のど飴、使い捨てカイロに使い捨てマスク、それから隆生から送られてきたお守りを「御守り」と朱書きされた封筒に入れたもの。全てをジッパー付きの袋にまとめる。
それをテーブルの上に置くと再び正座をして、とっぷりと暮れてしまった窓の外を見遣った。
そうしてると、手の中の携帯電話が振動を伴ってメールの着信を告げた。
ビクッと身の毛が逆立つような感覚が走り、みのりは息を浅くして携帯電話を開いた。
『今、明日出発する準備をしていたところです。県道から田島町に入る所にコンビニがあるんですが、そこは分かりますか?今から向かっていいですか?』
これが遼太郎から送られてきた文面だと言うだけで、みのりの胸はまるでラブレターでも読んでいるかのようにときめいていた。
早く返信をしたいのに、胸がドキドキして指が震える。みのりは、もどかしい気持ちでメールの返信を打った。