Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「なぁ、みのりちゃん。いいじゃんかよー。遼ちゃんの合格祝いも兼ねて♪」

「えっ!?狩野くん、もう合格発表あったの?」


 突然、みのりの顔色が変わったので、遼太郎は慌てて口を開いた。


「いや!まだです。今週の土曜日が発表日です。」

「そんな細かいこと言わないで、指定校なんだから合格してるに決まってるし。なぁ、みのりちゃん。考査が終わったら焼肉…♪と思ったら、俺らもう少し頑張れると思うんだけどなぁ~。」


 二俣は息も吐かずに攻勢に出る。そういえば、夏休みにもこんなふうにおねだり攻撃を受け、アイスを奢らされた。

 ラグビーをする時のポジティブさがこんなところにも生かされてるのか、きっと二俣はみのりが「うん」と言うまで引き下がらないだろう。


「花園予選のご褒美なら、君たち3人ってわけにはいかないでしょ?3年生全員に焼肉なんて奢ってたら、私今月生活できないわ。」


 さあ、どう出てくる?という感じで、みのりは腕組みをした。


「日本史選択者以外はどうでもいいんだよ。なぁ、みのりちゃん。考査も頑張るからさぁ~。」


 この押しの強さに、今回もみのりは折れた。こうべを垂れ、腕組みしたまま溜息をつく。
 …でも、このまますべての条件を呑むというわけにはいかない。


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