Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「あと2点だったから、惜しかったな。」
申し訳なさそうにしている衛藤を励ますつもりなのか、遼太郎がケロリとした口調で言った。
もともとこの件にあまり乗り気でなかった遼太郎は、かえってみのりの迷惑にならずに済んで良かったとさえ思っていた。
「あと2点だから、悔やんでも悔やみきれねーよ…。もっと俺が色々覚え方を編み出しとけば…!」
と言う二俣は、別に衛藤を責めているわけではないらしく、チームワークでもっと頑張っていれば…というふうに思っているらしい。
それが分かったみのりは、何ともほほえましく感じて、軽く息を吐いて微笑んだ。
「衛藤くんがすごく頑張ったのはよく分かったし、狩野くんも100点を取ったことだし、約束の〝焼肉〟には連れてってあげるから、そんなに落ち込まないで。」
みのりがそう言葉をかけると、頭を上げた二俣の目が、一瞬にして輝いた。
「それを早く言ってくれよ~。みのりちゃん♪」
にんまりと二俣は満足そうに笑顔を見せる。
衛藤は安心した表情、遼太郎は嬉しいような少し複雑な感じの顔をした。
「日にちはまた相談しましょ。さあ!これから部活ね。頑張るんだよ。」
安心させるために、みのりはにこやかに笑って見せた。