Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「んだよ。俺らがみのりちゃんを困らせるわけないっつーの。なっ?みのりちゃん。」


 二俣からそうケロッと言われても、みのりはただ苦笑いするしかなかった。そのみのりの顔を見て、遼太郎はフッと笑いをもらす。


「まあ、今日は約束通り焼肉を食べさせてあげるんだから、お腹いっぱいこれでもかって言うくらい食べていいからね!」


と、みのりが開き直って宣言すると、


「ガッツリ食べるに決まってんじゃん!エトちゃんなんて、朝飯も食わずに気合入りまくりなんだぜ。」


と、自分こそ気合の入った面持ちで答えた。衛藤は恥ずかしそうに、肩をすくめる。


――お…、お金、足りるかしら…?


 みのりは半ば恐怖を感じながら、店内へと足を踏み入れた。


 店内はまだ11時とあって、他の客はいなかった。

 店員に窓辺のソファーが向かい合った4人席へと案内される。遼太郎が奥に座ると、衛藤がそれに続いてその隣に座ろうとした。


「おおっと、エトちゃんはこっちだぜ。」


と、二俣が衛藤を引っ張って遼太郎の向かいに座らせ、自分は衛藤を押して無理やり隣りへと座った。
 横幅のある衛藤と巨漢の二俣が一緒に座ると、少々窮屈そうだ。

 残りの席は遼太郎の隣しかなく、みのりはそこへとちょこんと腰を下ろした。


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