Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
案内してくれた店員が説明を始める。
「当店では3つのコースをご用意しておりまして、42品をご自由にお召し上がりになれるコースは御一人様1980円。同じく85品になりますと2580円。115品ですと2980円です。どのコースになさいますか?」
説明を聞きながら、みのりは困惑の表情を浮かべた。
「42品で1980円って…安くない?っていうか、私42品も出されても食べ切れないわ。」
店員とラグビー部3人の目が点になった。
どうやら、みのりは食べ放題というシステムを理解していないらしい。
「みのりちゃん…。もしかして食べ放題って知らないのか?」
二俣がテーブルに肘をついて、さも珍しいものを見るかのような目で正面からみのりを凝視した。
「…先生。それは、42品全部食べるってわけじゃなくて、その中から自由に食べたいものを食べたいだけ食べられるということです。」
遼太郎が店員の代わりに補足の説明をすると、みのりは目を見張って遼太郎を見上げた。
「ええっ!!そんなシステムで焼肉が食べられるの?じゃあ、いくらでも食べていいってわけ?こんな男の子3人が食べちゃうと、すごい量食べちゃうけど、それでも同じ値段!?」
遼太郎が頷くのを確認して、店員へと視線を移すと、店員も「はい」と頷いた。