Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 このみのりの言葉に、遼太郎は返す言葉が見つからない。


――俺がずっと一生、先生と一緒にいます。


 心の中で、ただそう語りかけていた。


 だけど、これから大学へ行く4年間、遼太郎はみのりの傍にはいられない。
 それを思い知らされると、切なさに身をつまされる。


 唇を噛んで言葉を探していると、みのりから規則的な呼吸音が聞こえてきた。目も閉じられているので、眠ってしまったようだ。



 遼太郎はしみじみと、愛しい人の寝顔を眺めた。
 発熱して苦痛を漂わせている時でさえも、みのりはとても綺麗だ。


「先生は、頑張り過ぎなんだよ…。」


 遼太郎は思わずポツリと呟いた。

 出来ることなら、いつもこうやって傍にいて、頑張り過ぎるみのりをどんなことからも守ってあげたい。

 だけど、まだ今の自分にはその資格はないし、力もなかった。
 やるせなさと情けなさ、それ以上に募る愛しさに、涙が出そうになる。

 それでも、個別指導が終わって以来二人きりになれることなんてなかったし、こんなに誰にも(みのり本人にさえも)邪魔されずにみのりを見つめることなんて出来なかったので、遼太郎はひたすら、ただみのりを見つめ続けた。


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