Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
ソファーに置かれていたバッグからタオルハンカチを取り出してきて、ベッド脇に膝をつき、みのりの額を拭う。けれども、拭いても拭いても、あとから汗が噴き出してきて、布団を剥いでいても暑いに違いない。
「先生、このセーター脱いだ方がいいんじゃないですか?」
首までぴっちりと覆っているタートルネックのセーターは、見るからに暑そうだった。
遼太郎の提案に、みのりは目を閉じたまま頷いた。
肩で大きな息をし、依然として苦しそうだが、セーターから両腕を抜き取り、それから頭を抜き取ろうとしたので、遼太郎はそれに手を貸した。
最後の髪を抜き取った時、パチッと静電気が走る。
みのりはもたげていた頭を枕に戻すと同時に寝返りを打ち、遼太郎の方へと体を横向きにした。
その時、遼太郎の息は止まり、心臓が一つ大きく脈打った。
下着姿になってしまったみのりがそこに横たわっている。
体を横向きにしているので、重力が加わり、腕で寄せられた胸の膨らみが、キャミソールはおろかブラジャーからもこぼれ出そうになっている。深い谷間がくっきりと見えるどころではない。
その膨らみの色づいた頂きさえも、少し動けば今にも臨めそうだ。頂きに近いところに、小さいホクロが一つあるところまで、その〝絵〟は遼太郎の目に焼き付いた。