Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「……よしっ!遼ちゃん、見てみろよ。あの書き込み消えてるぜ。」
放課後、部活に顔を出そうと生徒昇降口から第2グラウンドへと向かっていた遼太郎に、背後から追いかけてきた二俣が、スマホを見せながら言った。
確認してみると、言われた通り書き込みは消されており、遼太郎は安堵で大きな溜息をついた。
「それじゃ、俺の書き込みも消しとこう…っと。即効だったな、俺と宇佐美の書き込み。」
スマホを操作しながら、二俣がしたり顔で遼太郎を見ながら眉を動かした。
「…『俺のみのりちゃん』って、なんだよ?」
遼太郎は二俣に感謝するでもなく、怪訝そうな表情を浮かべる。
「え…?」
「書いてただろ?書き込みに。『俺のみのりちゃん』って。」
「あれれ?気が付いてた?」
ぺロっと舌を出して笑う二俣を、遼太郎はチラリと睨む。
「あれは、つい本音が…じゃなくて。ああ書いた方が説得力あるかな~と思って。…でも!言っとくけど、『俺の仲松先生』って密かに思ってるのは 、遼ちゃんだけじゃないぜ。」
遼太郎は怪訝顔を、驚きの色に塗り替えた。