Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「…ええっ?!」

「実は、エトちゃんもみのりちゃんのことが気になっていると、俺は思う 。」

「エトちゃんが?…ウソだろ!?」

「いいや、エトちゃんだけじゃないぜ。白濱や遠藤のみのりちゃんを見る目も気になるし…。それに、江口ちゃんもみのりちゃんに気があるぜ。」

「江口先生?結婚してるじゃんか。」

「結婚してても、綺麗な人によろめくことはあるだろ?」


 遼太郎はとうとう絶句した。

 そう言えば数か月前まで、みのりは既婚者と付き合っていた。奥さんを裏切ってまでも付き合いたいと思わせる魅力が、みのりにはあるということだろうか。


 遼太郎は口を尖らせたまま、鼻で大きく息を吐いて心の中を整理しようとするが、もやもやとしたものが立ち込めていて、とても晴れそうにもなかった。


「ま!今回の書き込みのことは、焼肉のことを言い出したのも俺だし。あの時、みのりちゃんと遼ちゃんを二人きりにしたのも俺だし。俺にも責任あるからな。」


 気を取り直すように、二俣は遼太郎と肩を組んだ。遼太郎は肩をすくめて、気を抜くように息をついた。


「…いや、ふっくんには感謝してるよ。」


 書き込みのことだけではなく、焼肉の後に気を利かせてくれたことも、遼太郎は感謝していた。


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