Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「遼ちゃん。ただ、一回『好きです』っていうだけじゃ、多分みのりちゃんには通じないぜ。」


 放課後、部活に行くために第2グラウンドへ向かいながら、二俣がそう口を開いた。

 遼太郎の心の内を読んでいるような、二俣の意見に、遼太郎は目を丸くしてその顔を見上げた。


「だって、相手は先生だぜ?生徒が『好き』って言っても、そういう意味の好きって思ってくれないぜ。『あら、ありがとう。先生やってて良かったわ』ってな感じで、とても本気にしてもらえないぜ。」


――その通りだ…!


 遼太郎は心の中で、二俣の意見に同意した。


 じゃあ、どうすればいいのだろう。
 恋愛経験ゼロの遼太郎にとって、どう相手に伝えていいのかも分からない上に、それが本気にされないのならば、本当にお手上げ状態だった。


「ふっくんなら、そんな場合、どうする?」


 遼太郎は、二俣に助けを求めた。そんなふうに尋ねられて、二俣は眉を動かす。


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