Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 教室の出入口のところで、みのりは宇佐美や平野ら、数人の女子生徒に囲まれて、言葉を交わしている。中には泣いている女子もいて、みのりは優しく順に肩を抱いてあげていた。


 それを見ていた二俣が、つかつかとみのりの元まで歩み寄ったかと思うと、側にいた女子生徒を押し退けて、いきなりみのりを抱き締めた。


「みのりちゃん!大好きだ!!」


 抱きしめられている当人のみのりを初め、クラス中があっけにとられた。


「あ、あいつ、何ひとりで抜け駆けしてんだ…!」


と、誰かがつぶやくと、クラスの男子達がこぞってみのりの元へ詰めかけた。


「先生!ありがとうございました!」


 二俣を押し退けて、白濱がみのりを抱きしめる。


「俺も、先生が大好きでした!」


 次は、遠藤だ。


「先生、俺も、大好き!!」


 プレーボーイの平井も、彼女がいるくせに憚らずにそう言った。


 みのりが目を丸くして、一言も発せられないまま、代わる代わる6、7人の男子から抱きしめられた。
 しまいには、順番を待っていた衛藤までが、顔を赤くし恥ずかしがりながらも、みのりの肩を抱いていた。


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