Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
みのりの気持ちを阻まないといけないものは、もう何もない…。
遼太郎はそう暗示し、さらに深く懐にみのりを抱き込んだ。
これまで、何度も衝動に駆られては思い止まっていた思いのすべてを、今抱きしめている腕に込めた。
ここはみのりが求めて止まなかった場所だ。
どこよりも安心できて、身を委ねられる愛しい人の腕の中――。
その愛しい人が、自分を想ってくれていた……。
みのりの心の内に封印されていた遼太郎への想いが、涙と共に一気に流れ出してくる。
崩れ落ちそうになるみのりの体を、遼太郎への切ない想いで痛む心ごと、遼太郎は優しく力強くその腕の中へ包みこんだ。
――この人は、失いたくない……。
みのりがそう思った時、自身の腕も遼太郎の背中へと回して抱きしめていた。
そのみのりの行為を受け止め、さらに溢れ出す想いを抑えられずに、遼太郎は腕に力をこめ、もう一度囁いた。
「先生が…、好きです。」
遼太郎の胸でそれを聞いたみのりは、顔を上げて遼太郎を見つめた。
自分へ向けられている遼太郎の優しく深い眼差しに、想いを告げることを促される。