Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「私もよ…。私も、狩野くんが好き……。」



 言葉に出してやっと言えた自分の想い。
 そのあまりの大きさと深さに、みのりは震え、頬にはまた一筋涙が伝う。


 遼太郎は胸がいっぱいになって、言葉をなくした。
 みのりを愛おしそうに見つめ、涙を指で拭うと、頬をすくって顔を寄せた。


 みのりもそっと目を閉じて、再び唇が重なるのを待った。




 いつしか雪は止み、雲間も広がって、暖かな陽光が二人を包んで満ちている。

 この場所ですべてが始まった春が、また巡ってこようとしていた。









       ― 完 ―   








本編はこれで完結ですが、次ページに、あとがき(この作品についての解説など)を書いています。
是非、併せてお読みください!



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