Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
みのりが顧問をする筝曲部は、10月に行われる学校創立100周年記念式典のレセプションに出るので、その準備も始めなければならない。
曲目が決められ、練習が始まる。
本来3年生は引退しているのだが、有志で可能な者のみレセプションに出てくれることになって、みのりはちょっとホッとしていた。
みのりは筝曲部の顧問ということで、記念式典の実行委員にもなっていた。校長室で幾度か打ち合わせが重ねられ、具体的な仕事が詰められていく。
みのりはレセプションの担当で、その他ステージに関する雑用をすることになっていた。
こんな風にあれこれと仕事が入って、全く〝夏休み〟という気はしない。外は燃えるように暑いのだから、夏には変わりないのだけど。
遼太郎の個別指導は、前半の補習が終わったので一旦お休みにしようと、みのりは提案した。しかし、遼太郎の方から、部活のある日には答案を持ってくると言い出したので、添削指導に切り替えた。
遼太郎は、元来真面目な性格なのであろう。この前、かなりハッパをかけてしまったのを、みのりは少し後悔していた。
遼太郎が頑張りすぎるのが、心配だった。