欲しがりな彼。
彼について
「夏さん。構って。」
「もぉ…。ちょっとだけだよ?」
資料をめくる手を止めて隣に座ってきた彼の頭を撫でる。
「えへへ。」
気持ち良さそうに目を細める彼は、尻尾を振る犬みたいで。
私も自然と笑みがこぼれる。
私の彼の悠(ハルカ)は、私より3歳下。
「はい。終わり。」
「えー夏さんのケチ。」
口を尖らせる彼は、23歳とは思えない。
ハルは未だに高校生に間違えられるくらい童顔だ。
それに性格も行動も甘えたで成人男性だとは思えない。
私より顔も断然可愛いし。
「この仕事終わったら、お出掛けしようね。」
「やったー。じゃあおとなしく待ってるね?」
私はつくづく彼を甘やかしていると思う。
「夏さん大好き。」
…お願いを聞いてしまう私の気持ちもわかってください。
*彼について*
「ちょっとおとなしく待ってるんじゃなかったの?」
「くっつかないとは言ってないもん。」
「もう。仕方ないな。」