欲しがりな彼。
AM11:00
「起きてー起きてー!夏さん。」
「ん…まだ寝てたい…よ。」
「ダメだって!今日は俺に構ってくれる約束じゃん!」
そうだ。
今日ハルとデートする約束してたんだ。
でも…。
「ハル…あと一時間だけ…お願い。」
眠すぎて死にそう。
ごめん、ハルおやすみ。
「夏さんー!寝ちゃダメだよー。死ぬよ。」
結構な力で揺すられて、薄目を開ける。
ハルは必死な顔をしてたから。
「ふふっ。寝たら死ぬって、ここは雪山?」
余計おかしくて。
笑ったら少し目が覚めた。
「バカにしてるでしょ。ひどいよ夏さん。しかも、そういう意味じゃないのに。」
「じゃあどういう意味なの?」
いじけた顔で不満げに言うハルに私は少し笑う。
「夏さんが寝ちゃったら、俺が死んじゃうの。」
「え?」
「夏さんに構ってもらえなかったら俺、寂しすぎて死んじゃう。」
*AM11:00*
「じゃあハル、一緒に寝よ?」
「うん!…ってなんかうまく丸め込まれた気が。」
「気のせい気のせい。」