地上182センチメートルを、キミと。






体育倉庫に行くと





小泉がしゃがみ込んで、さっきぶつけたであろう背中を擦っていた。





・・・・・・・・泣いてはいない様だ。






オレの存在に気付いていない様子の小泉は『んー。 届かない』と呟いて、背中の真ん中らへんを擦ろうと一所懸命手を伸ばしていた。





・・・・・・・小泉、身体固すぎ。






見兼ねて小泉の背中を擦ってやると、小泉がビックリした顔で振り向いた。





「あ、香川くん。 ・・・・・・・ありがとう。 でも、ダイジョウブだから」






小泉がオレに笑顔を向けた。






明らかに作り笑い。






だって、ダイジョウブなワケがない。






元気有り余る18歳の男に、フツウに体当たりされたら、オレだって痛い。






小泉なら、尚更痛いハズ。
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